Japanische Fichte-Gesellschaft
日本フィヒテ協会


日本フィヒテ協会賞


第8回日本フィヒテ協会賞】
日本フィヒテ協会第15回大会当日(2003年11月12日)、第8回フィヒテ協会賞(研究奨励賞)授賞式が行われ、受賞者の中川明才氏(同志社大学)に、賞状、フィヒテの肖像画の写し、ワインおよび副賞授与されました。
――受賞対象業績――
A 博士論文
  • 「生と哲学--フィヒテ知識学の根本構造--」(2003年3月同志社大学)
B 論 文
  • 「フィヒテにおける絶対知の分析について」 (『フィヒテ研究』 日本フィヒテ協会編 第7号1999年11月)
  • 「後期フィヒテにおける超越論哲学の原理としての自我」 (『アルケー』 関西哲学会編 No9. 2001年7月)
  • 「フィヒテのイェーナ期知識学の完成としての「精神界の綜合」」 (『同志社哲学年報』 Societas Philosophiae Doshisha編 第24号 2001年9月)
  • 「フィヒテの生命論」  (『文化学年報』 同志社大学文化学会編 第51号2002年3月)
  • 「努力と根拠づけ--フィヒテ『全知識学の基礎』における根拠づけの問題--」  (『哲学論究」 同志社大学哲学会編 第17号2002年7月)
C 学会発表
  • 「絶対知の自己言及性について」(日本フィヒテ協会第14回大会1998年)
  • 「生に対する像形成の関係について」(日本フィヒテ協会第18回大会2002年)
――受賞理由――
 本協会会員中川明才氏は、その哲学研究の開始以来一貫してフィヒテ研究に取り組んでこられました。氏の誠実かつ綿密な研究は、近年博士学位請求論文「生と哲学一フィヒテ知識学の根本構造一」に大きな実を結びました。同論文において中川氏は、フィヒテ知識学における哲学的思惟の遂行様式を四つの段階に区分し、「生と哲学の相関」という観点に定位することによってそれら四つの段階が「哲学的思惟の自己理解の徹底」化の進展として統一的に把握されるというスケールの大きな解釈を提示し、フィヒテ研究に生産的な一石を投じられました。
 また中川氏は本協会第14回および第18回大会大会における優れた研究発表や協会事務局の活動を通じて本協会の発展に寄与されました。当選考委員会は、氏の近年の諸論考と研究発表、そしてなによりも学位論文『生と哲学一フィヒテ知識学の根本構造一』に結実した氏の研究努力を讃え、研究のより一層の発展を期待して、第8回フィヒテ研究奨励賞を授与することを決定しました。
 2003年11月22日
 日本フィヒテ協会選考委員会